布と糸を知る22(koginbank)

◆布と糸を知る22(koginbank 綿こぎん布)
 
前回の津軽工房社さんの綿布ペリープルは、調査対象12枚の布の中で、私視点では最も糸の相性を心配せずに楽しめる(どの糸とも相性が良い)と感じた布でした。こぎん刺しを施した部分の布の変形を意識して楽しみたいですね。
 本日のkoginbankさんの綿こぎん布は布調べ最後の布です。糸こきがしやすく、初心者の方も安心して楽しめるため、さとの坊のキットによく登場しています。

◆koginbank 綿こぎん布基本情報
⚪︎素材 綿

⚪︎1㎠あたりの目数(縦:横)7目:8目
⚪︎購入店 koginbankオンラインショップ
⚪︎購入時期 2022年〜2023年頃(ロットによる差の可能性を考慮し記載)
⚪︎展開色や価格等の商品情報はショップにお問い合わせください。

(写真からも布の張り具合の想像ができますね)

◆koginbank綿こぎん布の印象(さとの坊調べ)
⚪︎しなやかで横方向に伸びる▶️糸こきがしやすい
⚪︎経糸がくっきりしている▶️経糸を持ち上げやすく、運針がしやすい
⚪︎経糸の押さえつけ具合がしっかり▶️どの糸でも刺しやすい

 経糸があまり動かずしっかりしていて、どの糸でも心地良い刺し心地でした。同時に、ヨリの甘い糸では糸を引く時に糸がバラバラになりやすいため、糸が割れていくのが気になる方は、糸選びに注意するといいかと思います。(この後オススメの糸をご紹介します)。また、布の織り糸の存在感があるためか、こぎん刺しを施した後に糸の陰影がはっきりと出るように感じました
 布を手に持った感覚ではZweigart®のダボサと似た印象でしたが、経糸の動きやすさや布の高さ、経糸の強さなども刺してみると随分と違った布でした。下の写真を見ても、違いそうな感じがありますね。

 ◆koginbank 綿こぎん布に、また刺してみたい!と思ったさとの坊おすすめの糸
 全て運針で同じこぎん針を使用して刺した感想です。私の技量が見た目や感想に影響することをご理解いただきますようお願いいたします。

⚪︎4. つきや こぎん糸(10本合)
刺し心地:糸の通りが滑らかで心地よい
見た目:上品でどっしりしている
感想:とても良い、おすすめ

⚪︎8. 手仕事ファン こぎん刺し糸
刺し心地:スムーズ、糸こきも快適
見た目:糸の状態も変わりなく、カジュアルな印象
感想:問題なく楽しめる

⚪︎9. koginbank こぎん糸
刺し心地:糸が通過するザラザラ感が楽しい
見た目:糸の特徴がそのまま表現されている
感想:布も糸も存在感がある

⚪︎その他感想
 しなやかさが非常に魅力的な布です。「糸こきってどんな感じなの?」という
方には、ぜひこちらの布で糸こきを経験して欲しいと思います。また、布に柔軟性がありますので、運針の練習をしている方にもおすすめの布です。
 糸こきは、ゆったりと刺して糸を引くと、布と糸が一緒に伸びて、そのまま優しく糸こきをすると、布の間に綺麗にこぎん糸が落ちついていきます。丁度刺しているものがあり、Instagramのリールに載せていますので、よろしければ布のしなやかさや糸こきのしやすさなど、ご確認ください。

◆ペリープルで楽しめるキット
▶️こぎん刺しキット 金魚ねぶた
(こぎん糸はkoginbankさん)
▶️こぎん刺しキット ギフト
(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️
こぎん刺しキット ブックカバー2(文庫本)
(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️こぎん刺しキット ブックカバー2(新書版)
(こぎん糸は手仕事ファンさん)
(2024年2月現在販売はお休み中です)

◆今後の研究について
 いよいよ12枚のこぎん刺しを楽しめる布の調査が完了しました。この後は全体のまとめに移ります。6月のイベント準備も始めますので、次回ブログは少し先になるかもしれませんが、引き続き材料について学び、みなさんと材料の魅力を情報共有して行きたいと思います。また、イベントではInstagramでアンケートにお答えいただいた好きなモドコの情報を生かして行きたいと考えています。ご協力いただきましたみなさま、ありがとうございました。
 自分と相性の良い布や糸、好みはあるとは思っていますが、「ここにある布の魅力と特徴、ここにある糸の魅力と特徴を知り、使いこなしていけたらいいな」という気持ちでこぎん刺しをして行きたいと考えています。材料を作ることのできない私にできることは、材料への感謝、そして使っていくことです。
 それでは、引き続きよろしくお願いいたします。



▶️材料研究ブログ

▶️ショップ(お休み中)

 

◆布と糸の相性について
 布と糸を知る3
でも触れましたが、感覚は個人差があり、当然ながら好みも個人差があります。相性に関しては、布と糸の組み合わせによって刺し心地が異なることをお伝えしたい気持ちで書いています。布や糸の第一印象で距離をとってしまうのは、勿体無いと感じているのも今回の調査を行う理由の一つです。マイナスではなく、プラスを知っていくのが調査の目的です。

◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。 

※布名のアルファベット、糸名の数字は便宜上振ったものです。

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