布と糸を知る15(こぎんドゥエル)

◆布と糸を知る15(こぎんドゥエル)
 
布調べは5枚目、今回はこぎんドゥエルです。今のところキット登場回数最多で、刺し慣れた布でしたが、改めて調べてみると、たくさんのなるほどなぁ〜がありました。
※布名のアルファベット、糸名の数字は便宜上振ったものです。

◆こぎんドゥエル基本情報
⚪︎素材 麻

⚪︎1㎠あたりの目数(縦:横)7目:9目
⚪︎購入店 津軽工房社、しまや
⚪︎購入時期 2022年頃(ロットによる差の可能性を考慮し記載)
⚪︎展開色や価格等の商品情報はメーカーにお問い合わせください。

(ざっと見た感じは、このような布です。)

◆こぎんドゥエルの印象(さとの坊調べ)
⚪︎糊が多い▶️芯の強い糸(繊細ではない糸)との相性が良さそう

⚪︎布全体が面で動く▶️しっかりとした糸こきが大切そう
⚪︎布のたて糸を割る可能性がある▶️布の穴に針を入れる意識よりも、たて糸を持ち上げる意識が大切そう(ちょっと失礼、と暖簾を上げるイメージ...?)

 下はマクロレンズで撮影した写真です。布穴が縦長であることが見て取れると思います。また、パヤパヤとした糸が少ないため初心者の方でも布目が捉えやすく、こぎんドゥエルの販売が始まって以降、さまざまなキットで使用してきました。ただし、慣れるまではたて糸を割ることがあるかもしれませんので、布感が掴めるまでは丁寧に扱っていただくことをおすすめします。

(右から2番目、ドゥエルのたて糸がシャキッとした感じが伝わるでしょうか)

 下の2枚の布、私はどちらも好んで使用しています。写真からも全然違った印象を感じていただけるのではないでしょうか?表現したい作品に応じて、さまざまな布、糸を選んで、楽しんでいけたら良いですよね。

 ◆こぎんドゥエルに、また刺してみたい!と思ったさとの坊おすすめの糸
 全て運針で同じこぎん針を使用して刺した感想です。私の技量が見た目や感想に影響することをご理解いただきますようお願いいたします。

⚪︎5.津軽工房社 津軽こぎん糸
刺し心地:糸の通りがスムーズ
見た目:繊細ながらも芯のある糸が布の張りに負けず優しさが出る
感想:柔らかさがあるこぎん糸ですが、芯が強いため糸の状態が崩れづらく、滑らかな運針を楽しめると思います。

⚪︎6.1chi®こぎん糸
刺し心地:やや摩擦を感じるかもしれませんが、それが心地よく安心感がある
見た目:糸の乱れ等もなく、ふっくら可愛らしい
感想:刺し心地も見た目もとてもおすすめです。

⚪︎8.手仕事ファン手染めこぎん糸
刺し心地:適度な摩擦感がありスムーズ
見た目:手仕事ファンさんの糸の質感そのまま
感想:どんな布とも相性が良い糸で、今回もそれを感じられます。

⚪︎9.koginbank こぎん糸
刺し心地
:心地良い

見た目:koginbankさんの糸らしさがそのまま表現される
感想:ぜひ試してください。刺し心地が気持ち良いです。

⚪︎その他感想
 あまり糸を選ばない布だと思いました。ただし、私の技術では、オリムパス、ダルマ、マタルボンといった撚りの甘い糸は、居場所が安定しづらいのかな?という印象もありました。(オリムパス、マタルボンは引き揃えずに使用)逆に、撚りの強い糸は布の個性と協調し合う感じで、面白かったです。

◆こぎんドゥエルで楽しめるキット
▶️こぎん刺しキット6(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️こぎん刺しキット7(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️こぎん刺しキット8(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️こぎん刺しキット9(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️こぎん刺しキット10(こぎん糸は藍染糸、または、手仕事ファンさん)
▶️ックカバー1(こぎん糸はつきやさん、または、手仕事ファンさん)
▶️兜飾り(こぎん糸は津軽こぎん糸)
▶️鯉のぼり2(こぎん糸は手仕事ファンさん)
▶️花束(こぎん糸は手仕事ファンさん)

◆次回の布はオリムパスのリネン

 

 青森帰省中に進められたので、近々ブログに書けそうです。

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◆布と糸の相性について
 布と糸を知る3
でも触れましたが、感覚は個人差があり、当然ながら好みも個人差があります。相性に関しては、布と糸の組み合わせによって刺し心地が異なることをお伝えしたい気持ちで書いています。布や糸の第一印象で距離をとってしまうのは、勿体無いと感じているのも今回の調査を行う理由の一つです。マイナスではなく、プラスを知っていくのが調査の目的です。

◆調査内容に関して
 個人でこぎん刺しをお楽しみいただく方に向け情報で、さとの坊が自宅保管した材料で調べた内容です。保管環境によりお手持ちの布とカウント数のずれや重量に相違が出る場合があると思いますが、ご了承ください。また、写真の無断使用はお断りいたします。 楽しいこぎん時間になりますように。 

Satonobou